3モーション講習会報告 これぞ変化球集材

いつもマルイチのブログを読んでいただき、誠にありがとうございます。

今日はリギング3モーション講習会の様子をご報告します。

 

講習内容は下記のとおりです

・リギングコミュニケーション術

・PCウインチブレーキシステムの正しい設置方法

・リギング物理学

・枝重心を変える

 

3モーションの目的は「安全性」と「効率性」の両立です!

 

地球には「重力」が働いていますので、ロープに吊るした枝はブロックの真下に行きたがります。毎回、同じところに降りてくる枝葉を片付ないと、次の枝を降ろすスペースがありません。そこはクライマーの作業範囲である「レッドゾーン」内である場合が多く、もし、枝がグランドワーカーの頭に落ちたら重大事故につながります。したがって、グランドワーカーが枝葉を処理する間、クライマーは作業ができません。そこで効率性が落ちてしまいます。

 

一方、クラマーを待たせないように、降ろした枝をレッドゾーンの外へ運びだす作業は多大な労力を要します。リフト・ロワーリング・枝幹の移動、とすべての作業を人力でこなすグランドワーカーは次第に疲労が蓄積して集中力が散漫になります。その結果、冷静な判断ができなくなり重大事故に繋がる恐れもあります。

 

そこで、一連のリギングシステムに集材機を組み入れて、降ろした枝葉を素早くレッドゾーン外に運び出します。そうすればクライマーを待たせませんし、自分の疲労も軽減され、集中力が持続します。

 

 事故の多くは「疲れ」と「焦り」が原因です。肉体疲労から解放してくれる3モーションを習得して、リギングの「安全性」と「効率性」を両立させます。

 

 

 

 

3モーションその1

 

 「クライミング CLIMIBING」

 

切る位置に合わせて、腰の位置を決めます。

 

安定したポジショニングが、正しい切り口をつくり、疲れません。

 

 

 

 

3モーションその2

 

 「リギング RIGGING」

 

ロープとディバイスを使って、

材の動きをコントロールします。

 

 

3モーションその3

 

 「コレクティング COLLECTING」

 

レッドゾーンから材を素早く移動させ、そのまま集積場に引き寄せます。

 

 

今回の課題は「変化球集材」

 

「私が歩いた通りに集材してください」

そう言って斜面を30mほど登り、立ち止まったかと思うとニヤッと微笑み、体を90度反転させて歩いていきました。

 

集材経路を途中で90度曲げろというのです。

 

「ここにある道具だけでシステムを組んでください」

「ただし、材を途中で地面に降ろしてはいけません」

 

 

「え~」

 

 

 

 

作業を安全かつスムーズに進めるためには、個々の技量(技術や知識、経験)はもちろん重要です。しかし、仲間とのコミュニケーションが不足しているために、その技量が生かされないばかりか、逆方向に進んでしまった!(ヒヤリハット・非効率)経験があるのではないでしょうか。私は日々年中あります。

「いちいち言わなくても察してよ~」になりがちですが、これでは互いの思い込み・勘違いにつながり、事故は防げません。

 

チームコミュニケーションが成功の秘訣です!

 

実習後の振り返り

 

自分たちが構築したシステムはあれで良かったのか?

次回に向けての改善点を見つけ出します。

 

 「ブロックをここまで上げれば、ラインに絡まなかった」

 「受け口の角度が広すぎたのでツルが切れなかった」

 「暗くてボディーサインが見えない。蛍光色の手袋が必要」

 「自分の担当だけ分かったいてもダメ。全体像の理解が必要」

 

 即席のチームにも関わらず、

みなさん、見事なチームコミュニケーションです!

 

 

みなさん 

いつもいつも、遠いところから参加していただき、ありがとうございました!

 

 

今回、定員がいっぱいとなり、ご参加できない方がいらっしゃって、大変申し訳ありませんでした。

 

次回の3モーション研修会は9月16日~18日です。

既に数名の方からお申し込みを頂いていますので、

参加をご検討されている方はお早目のご連絡を頂ければ幸いです。

 宜しくお願い致します。